<アサイラム/アジール空間>の人類学

国立民族学博物館 若手研究者による共同研究「<アサイラム空間>の人類学:社会的包摂をめぐる開発と福祉パラダイムを再考する(代表者:内藤直樹)」

グローバリゼーションは難民や無国籍者などの新たな社会的弱者の排除を生みだしています。その一方で、国際NGOなどが国家にかわる新たな社会的包摂の主体として台頭しています。この研究は、グローバリゼーションのなかでの国家や非国家主体による社会的弱者の社会的排除/包摂の空間を<アサイラム/アジール空間>として概念化し、医療・福祉施設、野宿者一時宿泊施設、難民キャンプ、先住民定住地、宗教空間などの成立要因が異なる現場を、新たな人類学的フィールドとして捉え直します。そして、この空間の多様な位相を比較検討することで、近年の社会的弱者の包摂をめぐる開発・福祉パラダイムの問題点を措定するとともに、グローバル時代の新たな民族誌の地平を開拓することを目的としています。